「なかだの里」デジタル復刻版に寄せて
仙台市立西中田小学校長
(※令和5年)
駒沢 健二
このたび、1986年に編纂された「なかだの里」をデジタル復刻版として再び皆様にお届けできることを、大変嬉しく思います。
中田地区は、古くから「名取の里」として親しまれ、歌まくらとしても名高い地域です。江戸時代には奥州街道沿いの宿場町として栄え、多くの文化や生活の痕跡を後世に伝えています。「なかだの里」は、これらの貴重な情報を集め、地域の歴史と文化を未来に伝えるために中田地区にある学校の先生方が協同して編纂されました。
しかし、都市化の波により田畑は宅地に変わり、地域の過去を知る方々も少なくなってきました。昭和61年(1986)には世帯数約1万、人口3万5千であった中田地区は、38年後の令和4年(2022)には世帯数約2万6千、人口5万8千と大きく変わり、地域の風景と人々の暮らしも時代の流れとともに大きく変貌することとなりました。
今回のデジタル復刻版の発行は、地域の歴史と文化を保存し、未来に伝えるための重要な一歩です。年齢を問わず、幅広い世代がこの貴重な資料にアクセスできるようになることで、地域の理解と愛着が深まることを期待しています。
最後に、このデジタル復刻版の刊行にご尽力いただいた皆様に心から感謝申し上げます。そして、この復刻版が地域の教育と文化の更なる発展に寄与することを心より願っております。
令和6年3月15日